そのキーワード、本当に除外しても良いのですか?……機会損失を防ぐキーワード選定の考え方

以前、リスティング広告のアカウント構築時のキーワード選定についてご紹介しました。
そこで、「ユーザーの検索ニーズについて仮説を立てる」「関連性の低いキーワードを除外する」というポイントを述べました。

以前の記事についてはこちらを御覧ください。

 

特に関連性の低いキーワードを除外する事は、ニーズが低いユーザーへの配信を防ぎ、費用対効果を高める事に有効です。
一方でキーワードを除外しすぎると、見込み客に対しても広告が表示されず、機会損失に繋がる恐れもあります。

どのキーワードが成約に繋がって、どのキーワードが繋がる可能性が低いのかを見極める事は難しい部分でもあります。
一見すると除外すべきキーワードでも、実は成約につながる可能性を秘めたキーワードを見つける方法を、実例を交えてご紹介します。

 

1.成約に繋がる可能性が高いキーワードと除外キーワードを選別

例えばあなたは新車を売っている販売店で、プリウスの新車を販売するためにリスティング広告を出稿を考えていると仮定しましょう。
そこで「プリウス」の複合キーワードをサジェストツールを用い、キーワード候補を探したところ、以下の様なキーワード候補が出てきました。

ブログ1

この中から成約に結びつきそうなキーワードと除外するキーワードを選別します。
あなたならどのキーワードを残して、どのキーワードを成約に結びつきそうにないものとして除外しますか?

 

 

まず「プリウス 価格」は購入したいと思い価格を調べている可能性があります。
プリウス 購入」については具体的に購入できる販売店を探している可能性があります。
プリウス 維持費」も購入にあたって維持費の相場を探している可能性があります。

以上のようなキーワードは成約に結びつく可能性があります。

 

一方、成約に結びつく可能性の低いキーワードは次のようなものになります。

プリウス タイヤ交換」「プリウス オイル交換」といったキーワードは、タイヤ交換やオイル交換といった整備が出来るお店を探している可能性があります。
整備するということは継続して車に乗る事になりますので、買い替えの需要は低そうですね。
プリウス カスタム」も今乗っているプリウスのカスタム方法や部品を探している可能性が高いので、プリウスを買い換える需要は低そうですよね。
プリウス CM」は、プリウスのCMに出演しているタレントを検索していたり、使われている曲名を検索している可能性があります。
プリウス 模型」はプリウスのプラモデルやおもちゃを探している可能性が高いです。

 

以上のように、ユーザーの検索意図を想像することで、出稿キーワードと除外キーワードを選別していきます。

 

2.除外候補でも戦略次第で成約が取れるキーワードに

さて、出稿するキーワードと除外キーワードが選別出来てきたと思います。
ブログ2

上図の「要検討」の3つのキーワードについて考えてみましょう。
プリウス 中古
中古車を取り扱っていないとしても、これらのキーワードを除外してしまっても良いものなのでしょうか?

確かに「プリウス 中古」と検索している人は、プリウスの新車ではなく、中古車を探している可能性があります。
しかし、中古とはいえ、車を欲しがっているユーザーには変わりありません。

 

中古車を選ぶ最大の理由としては、やはり「安く購入したい」からでしょう。
しかし、中古車よりも新車で買ったほうが得だと思われるようなオファー、例えば充実した保証や、オプション品の割引、メンテナンスなどのアフターフォロー等をランディングページに盛り込んだら、「プリウス 中古」というキーワードからも成約につながる可能性があります。

 

弊社では格安の工具を販売しているECサイトのリスティング広告を運用しています。
そのサイトの製品は同業他社と比較して安価であり、中古品と同等の値段で購入できること、充実した長期保証も付けている事が大きな競合優位性です。
中古」を含むキーワードに、そのような競合優位性を訴求した広告文を出稿した所、実際に成約に繋がった事例があります。
ユーザーに「中古品を買うより、このサイトで新品を買ったほうがメリットが有る」と思わせたのです。

ブログ3

もし、中古車を買うよりも新車で買ったほうがメリットが大きいと思わせるオファーを提供できるのであれば、「中古」を含むキーワードは除外せず、寧ろ戦略として積極的に出稿することで成約を獲得出来る可能性があります。

 

3.キーワードから、ユーザーの隠れたニーズを探り出す

さて、「プリウス エンジン 故障」「プリウス トランスミッション 故障」というキーワードはどうでしょうか?
先ほど「タイヤ交換」「オイル交換」といった整備系のキーワードを除外したので、「エンジン 故障」「トランスミッション 故障」も除外すればいいと思われるかもしれません。
しかし「タイヤ交換」と「エンジン故障」では、同じ整備でもユーザーのおかれた状況が異なります。

 

タイヤやオイルはいわば消耗品です。
交換する頻度も高いですし、消耗品を交換してまだまだ車に乗り続けようとしているので、タイヤやオイルを交換するユーザーは車を買い換える意志が低いと考えられます。

 

一方、エンジンやトランスミッションは車の根幹を成す機関です。
これらの機関が故障したということは、現在ユーザーの車は走行不能あるいは走行に重大な支障が出ている可能性があります。
また、これらの機関は修理するのに多額の費用を払う必要があり、買い替えを検討するユーザーも少なく無いと思われます。
また、そもそもエンジンやトランスミッションが故障する車は年式が古かったり、走行距離が長い可能性も高いのです。

 

実際、私も以前車のトランスミッションが故障して「車種名+トランスミッション 故障」とGoogleで検索して、修理費用の相場を調べた結果、多額の修理費を掛けて乗り続けるより買い換えた方が良いと判断して、車を買い換えた経験があります。

ブログ4

こうしてユーザーの検索意図や、その後の行動を想像すると、「エンジン 故障」「トランスミッション 故障」といったキーワードも、成約につながる可能性があると考えられます。
このように、一見すると除外対象に見えるキーワードでも、ユーザーの検索ニーズや、おかれた状況を深く想像すると、実は成約に繋がりうるキーワード候補になる場合もあります。

 

まとめ

除外キーワードを登録することで無駄な配信を防ぎ、広告の費用対効果を向上させる事が出来ます。
その一方で、一概に「これはうちでは扱っていない商品・サービスだ」と言って闇雲に除外キーワードを登録していまうと、見込み客も取りこぼし、機会損失に繋がる可能性があります。

 

除外キーワードを選定する際には、今回ご紹介したようにユーザーの検索意図・ユーザーのおかれている状況をよく検討してみましょう。
また、自分の過去の経験も参考になります。

今回の実例が、除外キーワードを選定する際のヒントになれば幸いです。

関連記事

ページ上部へ戻る

 

 

Google+